基本的に、洗剤をはじめとするクリーナーや道具がないと落ちないのが、油汚れや手あか、石鹼カス、水道のミネラル分の固着、シミ、カビなどの汚れです。これらの汚れは、次の3つに分類できます。
汚れの性質を酸性の汚れ、アルカリ性の汚れ、物理的にくっついた汚れ、微生物による汚れに分け、それぞれ代表的な汚れの例を見てみましょう。
酸性の汚れとはどんなものでしょうか?簡単に言えば、油汚れです。なぜ油汚れが酸性なのか?それは油の主成分が脂肪酸という酸だからなのです。キッチンの汚れを触ってみると、油が混じり、べとべとしています。キッチンの汚れの大半は、油を含んだ酸性の汚れだといえます。また、人間の肌から出るアカ。これも大きく言えば酸性です。化粧品やボディーソープのCMなどで「お肌は弱酸性」という言葉を耳にしたこともあるかと思います。バスルームに付いた体を洗った後のアカ、湯アカも弱酸性だと考えていいでしょう。
アルカリ汚れの典型は、洗剤や石鹸が原因の汚れや、水の中に含まれるミネラル分が原因でつく汚れです。例えば、バスルームの鏡は典型例の一つでしょう。バスルームでは、湯気や石鹸、シャンプーの飛沫などが鏡に付きます。それが薄い層となって積み重なり、次第に鏡を白く曇らせていきます。洗剤といえば基本的にはアルカリ性です。家庭用の洗剤類の多くは、アルカリ性ではないですか?洗濯用洗剤を考えてみます。洗濯用洗剤で落とす汚れはアカです。アカの性質は酸性です。こうして見ていくと、例外もありますが家庭の汚れの多くは弱酸性だといえます。それを落とす洗剤には、汚れとは逆の性質であるアルカリ性のものが多いのです。なので、そういう洗剤をあえて「中性洗剤」と呼ぶのです。
その他の汚れというには、酸でもアルカリでもない汚れがここに分類されます。シールなどのこびりつきやカビ、焦げ付き、ピンなどをバスルームに放置しておくとついてしまうもらいサビなど、種類も形状も様々なのがその他の汚れといえます。形状や性質が違えば、落とし方も変わってくるわけでパターン化しにくいものです。その他の汚れがこすり落とせるかどうかは、汚れが何についているかにも大きく左右されます。例えば、カビの場合、タイルや樹脂に付いたカビは、比較的簡単にこすり落とすことができます。特にカビがついてからの日数が浅ければ、こするだけで落とせてしまうでしょう。しかし、これが木やコーキングだと、簡単にはいきません。このようにその他の汚れに関しては、なんにでも応用の利く落とし方やクリーナーの性質を理解したうえで、それを応用していく以外に方法はないでしょう。