油汚れはアルカリ性洗剤でよく落ちるというのは基本です。おなじみの「マジックリン」(花王)はアルカリ性で、フッ素コートやアルミにも使えるように改良されました。また「ルック強力レンジクリーナー」(ライオン)は弱アルカリ性です。両方とも注意書きに「傷んだ塗装面、フッ素コート、アルミははげたり変色したりすることがあるので、目立たないところで試してから、手早く掃除する」とあります。これは、古いものにパックしたり、長くつけっぱなしにするのはダメですよということです。使用するときには注意が必要です。またビニール手袋をすることと、最後の仕上げは、水拭きをして洗剤分をよく拭き取ることです。掃除用洗剤は、水拭きやお湯拭きではすっきりしない場合の拭き掃除用の洗剤です。「かんたんマイペット」(花王)は弱アルカリ性、「ルックふきとり中性クリーナー」(ライオン)は中性です。広くオールマイティーに使用できて、洗剤で拭いた後、水拭きが不要なので便利です。オールマイティーとはいえ、水がしみ込む木部や壁、また銅と真ちゅうの製品には使えませんのでご注意を。
汚れの種類や場所によって、洗剤の種類がどんどん細分化されています。プロの方は業務用の洗剤を使いますが日常のお掃除でもっとも使うのは、掃除用洗剤、油汚れ用洗剤、クリームクレンザーの3つ。これさえ揃えておけば、家じゅうのほとんどの汚れを落とすことができます。
例えば、油汚れ用洗剤ですが、レンジ・キッチン用となっていてもそれで壁などのしつこい手あか汚れを落とすことができます。そして、クリームクレンザーもキッチン用・バス用と分かれているものがありますが、どちらも成分はほぼ同じです。ですので、窓ガラスに掃除用洗剤使っても大丈夫なのです。ネーミングで洗剤の使用可能場所を限定してしまったり、たくさんの洗剤を買い揃える必要はありません。クリームクレンザーは細かい研磨剤入りの液体タイプのクレンザーで「ジフ」(日本リーバ)、「ホーミング」(花王)、「ルックキッチンのみがき洗い」(ライオン)などがあります。ステンレスやタイルのほか、ホーロー、陶器、ガラス、プラスチックなど、ほとんど傷をつけずに、汚れを強力に落とすので、いろいろな場所の掃除に広く使えます。しかも弱アルカリ性なので、デリケートな方を除けば、ビニール手袋なしで安心して使用できます。
クリームクレンザーには、細かい研磨剤が入っています。この研磨剤は置いておくと沈殿します。そのため、そのまま使うと、うわずみ液を使うことになり、研磨効果を活用できません。また、沈殿したまま長く放置しておくと、固まってしまうこともあります。使用する前に必ずよく振ってから使うようにしましょう。
「ワイドマジックリン」(花王)は、顆粒状の洗剤で、お湯に溶いて使用します。この洗浄液につけておくと、換気扇などのベタベタの油汚れをはじめ、魚焼きグリル、鍋、エアコンのフィルターなどの汚れも取ることができます。また除菌、消臭効果もあります。他にも排水パイプの洗浄剤としてニオイを防ぎ、つまりを予防する効果もあります。「ワイドマジックリン」の主成分は界面活性剤を入れたもので、台所用の漂白剤「キッチンハイター粉末酸素系」(花王)や洗濯槽のカビ取り剤「カビキラー洗濯槽クリーナー」(ジョンソン)も主成分はほぼ同じです。
http://hanacleanservice.net/2017/01/27/lavatory/にもふれてありますが、洗濯用の還元系漂白剤「ハイドロハイター」(花王)は鉄分や赤土汚れを落としたり塩素系漂泊剤で繰り返し使って黄ばんだものを白くする、衣料専用の顆粒状の漂白剤です。鉄分を分解するので、キッチンや洗面所・浴室などの水まわりで、鉄分のシミやもらいサビが付いたときに効果的です。サビ落としなどに使うときは、すぐに冷めることを考慮し50℃くらいの温度で使うのがコツです。サビの場合は、溶かして使うよりも、サビに顆粒をふりかけてお湯を少したらして使うのが効果的です。